実現に向けて・・・「なぜ、きらり保育園」なのか

木村由希です

“きらり保育園”は、お話を伺うことから全てが始まりました。

「子育て中のママが不安に思っていること、悩んでいること」

子育てに限らず、夫婦のやりとり、両親との関係、お仕事を探す時間の無さ。
いままで膨大な時間をかけ、ほんとうに多くのお話をきかせて頂きました。
それらのお話と、よりよい将来に向かおうとする姿勢は「人生そのもの」

その、様々なお話が「きらり保育園」が、今すすめている内容。

たとえば「保育士がコミュニケーションの訓練を受け、アドバイスができるようになっていく」といった方向性(まだ進行中ですが)や、保育に限らず“広い視野をもつ人材を育成”していく、といった会社の方針など。

あるいは、これから進めようとしている、各サービスのコンセプトになっています。

また、「今、保育士として働いている方」が、悩んでいること。
それだけでなく、「保育から離れた方」が、悩んでいたこと。
私たちの世代が、将来を描けない現状。

 
2016年、ブログをきっかけに「保育士不足」と、メディアの放映などもたくさん見られるようになりました。
しかし、保育士である前に、「ひとりの人」として、どのような事を悩み、また、どのような将来を望んでいるのか・・・。
これは保育のこと以前に「人として、どう生きたいか」の話です。
 
仕事の前に、子どもの事を言う前に、私たち大人こそが、自分自身のそのことを考える必要が、あるのではないでしょうか?
というのも…

家庭も保育園も、子どもには1つの成長環境。
保育をする側の心が健全でないと、子どもにとって健全な保育は、できないのではないか?

そう思っているからです。

子どもも、保護者も。そして、保育士も。一人ひとりが、輝く環境づくり

厳しいサービス業で活動してきた私には、保育の職場で仕事をする方も、数多くいらしていました。

「高いプロ意識」を持ち「プロの誇り」を内に秘め“心から明るく、子ども、保護者に接してほしい”
1人の人として「よりよい人生をおくってほしい」と、相手に対して、いつも願っていました。

だからこそ、子どもはもちろん、保護者も、そして、保育士も、1人1人が輝いてほしいのです。

ここからの話は「きらり保育園を開園するまでのこと」です。
もし、興味があれば、お読みいただければと思います。

面接を進める中で、確信を得たこと

待機児童を解消するために施設ができても、人が全ての鍵になることに変わりはありません。

保育士からのヒアリング調査を進める中で、思いのほか大変な状況にあることを目の当たりにしました。
単に、労働環境がわるいとか、そのような話ではなく、もっと根本的な問題が横たわっていたのです。

ですから、私たちは(近頃の報道とは無関係に)プランニングの段階から、この事を重要視し、単に施設をつくるだけではなく、根本的に保育士としての生き方を支援することを盛り込んでいました。

それが、子どものよりよい成長や、保護者のよりよい支援につながると、信じているのです。

しかしながら、面接にむけて、面談(個別説明会)を進めると、状況はもっと深刻に感じられました。
誰しも、悩みや不安はあるものですが、その度合いが、一般と比べていきすぎているのです。

たとえば「人間不信」であったり、将来不安であったり。
そしてどこか、自分の人生に対して「他人事」のような言いぐさをしたり…

そういったことが、とても気になりましたし、悲しくもなりました。

もちろん、シンプルに「きらり保育園が目指す環境づくり」に共感し
「私自身も、やります」と、歩みを共にした方も、数多くいらっしゃいました。

今まで外の空気が入らずにきた業界に、何が起こっているのか

そう感じた私たちは、そもそも「きらり保育園で仕事をするか、否か」ではなく、まず、今までのモヤモヤを取り払うため

あなた自身は、どうなりたいのですか?
あなた自身は、どう生きたいのですか?

を問うことから始めました。

きらり保育園のスタッフに「なる・ならない」とかよりも、どうせ同じ時間を使うのであれば、その方が相手にとっては、どちらに転んでも「少しでも良い人生に向かう」ことができる。

そのように思えたのです。

それに、そのようなモヤモヤした状況で、以前の感覚を引っ張って仕事されたとしても

子どもや、保護者に、よい影響を与えていくプロにはなれない

そう思えました。

他人ではなく「あなた自身」は、何を変えたいのか?

そして、同時に

今まで、イヤだったことは、何なのか?(よくない環境や要因を)
それが、どうなっていればいいのか?(自分はどのように変えたいのか?)

そのことを確認していきました。

誰かのせいにする人なのか。「私が」良くしようと、する人なのか。

自分の人生にすら、どこか他人事で、「誰かがやってくれるもの」と、依存・責任転嫁をする人。
自分に都合のよい考え方で「与えられるのを待っている」他力本願・依存質な人では
全体がチームとなり協力して、一丸となって作り上げる“この環境づくり”は、できない。

そう考えたからです。

私たちは、一人ひとりに、保育の知識や経験以前のものとして、人として「自分の人生を選び」「自分で責任をもって生きる」
この力の土台として「自立」を求めました。

大人になって、このことができなければ、根本的に、子どものお世話はできないだろうと考えたのです。

自分自身の人生を、スッキリと。

「面接でしょ?そんな事を書いたら、受からないよ!!」

今、きらりメンバーとして働いている皆さんの「旦那さん」や「家族」にも、そのようなご心配をおかけしました。

確かに、普通の会社なら、ありえないことです。
しかし、今までと同じ事を、惰性で繰り返しては、同じことを引き起こすだけです。

この非常識な面接を経て「私はこうなりたい」と「自分自身の未来」に踏み出した方のみが、きらりメンバーとなっています。
その他にも、コミュニケーション研修の内容をさっそく実践して「嬉しい報告」をしてくれたメンバーも、たくさんいます。

自分自身の人生を、スッキリと生きるために。
それがあるから「心から明るい人」となって、子どもや保護者の皆さんの人生を支援することができる。

このことから、どうしても必要なプロセスであったし、これからも欠かせないプロセスなのではないかと思っています。

まだまだ、やるべきことがありますが、きらり保育園は「誰かの人生を応援できる人」を増やすために、まずは、身近な一人ひとりの人生を応援していきたいと考えています。